貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「欲しいものがあるのです。それは、後宮でしか手に入らないので、後宮を去る気はありません」

「欲しいもの……何だ?」

「皇帝陛下です。貴妃として……いずれは皇后として。一生、皇帝陛下のお側にいる立場が欲しいのです」

 天明が、剣呑に目を細める。

「……晴明と睡蓮の気持ちを知っていて、それを言うのか」


 紅華は、強い天明の視線を臆することなく受け止めた。

「私は、後宮の光となります」

「光?」

「影ができるには、必ず光が必要なのです。ですから、影を作る光となって、その影と共に一生を生きていきたいのです」

 一瞬の後、その意味を悟った天明の目が大きく開かれる。
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