貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「よろしいのですか、天明様?」

 睡蓮が心配そうに天明をみあげた。

「晴明に頼まれたし、なんとかなるだろう」

 紅華は、部屋に入ってきた天明の前に立つと、深々と頭を下げた。


「この度は誠にお悔やみ申し上げます」

 天明にしても、父親を亡くしたのは晴明と同じだ。先日の一件でいろいろ気になるところはあるが、まだ天明にそう言っていなかったことが紅華は気になっていた。


 その姿に、少しだけ天明は瞬くと、柔らかい笑みを浮かべた。

「ああ。ありがとう」

 また難癖でもつけてくるかと身構えていた紅華は、天明から返ってきた素直な言葉と表情に拍子抜けする。

(あ、晴明様にそっくり)

 穏やかに笑みを浮かべた天明は、確かに驚くほど晴明に似ていた。

(ということは、天明様も顔はいいのよね。性格は難アリみたいだけど)

 本当は、先日の天明の言葉についても聞きたかった。けれど、睡蓮のいる場所ではなんとなく聞き辛い。

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