貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 何か言おうと思ったが、睡蓮が何も言わないので紅華も気にしないことにした。
(まあ一応、お忍びってことですものね)

 そうして連れ立って、紅華たちは陵、つまり皇帝の墓へと出かける。
 宮城からしばらく馬車に乗ると、小高い丘が見えてきた。

「あれですか」

「ああ。代々の皇帝が眠る陵だ」

 それは、少し高い丘の上にあった。綺麗に整備された階段は、見上げるほどにながい。輿に乗っていくという手段もあったが、紅華は自分の足で歩くことを選んだ。

 入り口を守る近衛に身分を告げて、紅華たちは汗をぬぐいながらそこを登り始める。


「おっと。大丈夫か?」

 足元のふらついた睡蓮を、天明が支えた。そのまま支え続けようとすると、睡蓮がその手を押し返して首を振る。
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