貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「多少は仕方ないだろう。父上はまだ亡くなる気はなかったみたいで、後継に関してなんの用意もしてなかったし。晴明も、まさかこんなに早く皇帝になるとは思ってもいなかったからね」

「天明様なら適当に手を抜くことも得意でしょうけれど、陛下はとてもまじめな方ですからきっと限界まで頑張ってしまわれます。どうか、目を光らせていてくださいましね」

 真面目な睡蓮の言葉に、天明は肩をすくめた。


「わかったよ。ほら、無駄話をしていると、いつまでたっても辿り着かないぞ」

 苦労して長い階段を上りきると、色とりどりの花があふれあたりには香の良い香りが漂っている。

 紅華は、疲れも忘れて感嘆のため息をもらした。

「美しいところなのですね。彼岸とは、こういうところなのでしょうか」

「そうだな。良い場所だ」

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