貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 清明はその人々の間を横切って皇帝の席までの数段を上がってくると、すぐ横にいる紅華が渋い顔をしているのを見て微かに目を瞠った。
 そして、紅華にだけ見えるように、人差し指を小さく口元にあてていたずらっぽく笑う。
 紅華は、扇で顔をおおってその要求を了承したことを現した。


 それを確認すると、晴明は広間に振り向いて声を張る。

「たった今、父上は天へとお上りになった。皆の者も、御苦労であった」

 それを聞いて、官吏たちも神妙な顔つきになる。うなだれるものも多かった。その様子をゆっくりと見渡してから、晴明は重々しく続けた。

「しばらくは、我々もこの悲しみから逃れることはできないだろう。だが、その悲しみの中でも、我々は顔をあげ、この国を守っていかなくてはならない」

 は、としたように、それぞれの官吏たちが晴明を見上げる。その視線を受け止めて、晴明はうなずいた。

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