貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「ぐっ!」

「陛下!?」

「陛下!!」

 場が騒然とした。

「ご無事ですか?!」

 そばに控えていた衛兵や宰相が晴明をとりかこむ。晴明は、両手を床について少し体を起こすと、自分の真下にいた紅華に声をかけた。


「大丈夫だ。紅華殿は?」

「私も、大丈夫です」

(近い……!)

 体が密着した状態になった紅華は、すぐ目の前にある晴明の顔に、そんな場合ではないとわかっていても鼓動が跳ねる。全身に感じる体の重みは、苦しく思うほどではないが意外にずっしりとしていた。

「よかった」

 そう言ってぎこちなく起き上る晴明を、ふ、と紅華は仰ぎ見た。晴明は厳しい顔であたりに集まった官吏たちを見回す。
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