貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「何をする! 睡蓮、あ、こら、おい」

 天明は抵抗するが、紅華が指摘した通り片側にうまく力が入らないらしく、あっという間に片袖を引かれて肩がむき出しになった。

 みれば、天明の肩から背中にかけて広い範囲で青黒くなりかけている。


「やっぱり」

「睡蓮……いくらいい歳だからって、もう少し女性としての照れとか恥じらいとか持ち合わせていないのか。そんなことだから嫁き遅」

「そんなこと言っている場合じゃないでしょう? 折れてはなさそうですが、これはかなり痛みますね」

「いててててて!」

 あちこち調べられて、天明が再び悲鳴をあげた。痣になっている腕を乱暴に扱う睡蓮のその様は、どうやら天明の言葉に少しばかり立腹したようだ。

(睡蓮でも怒ることがあるのね)

 紅華は、興味深くその様子を見守った。
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