仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 そういうときの勘は優れていると自負していることもあって、きっと彼女も印象以上の素晴らしい女性なのだろうと思う。

 見知らぬあの女性も、まさか自分が家具と同一視されているとは思わないに違いない。

 けれど、彼女とそれ以上近付くことなどあるはずがなかった。

 それほど珍しくもない日常のワンシーン。

 結局、彼女とは他人でしかないのだから、その先を見ることはできない。

 ――と、思っていたのに予想外の展開になった。

 気乗りしないまま迎えた顔合わせ、もといお見合い。そこに現れたのはそのときの彼女だった。

 凛とした表情はなりを潜め、今は品のいい落ち着いた笑みを浮かべている。

 父と母が世話になった結婚式について、あれこれと話をしていた。
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