仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
「あんなに嫌がっていたのに、どうして紗枝さんとの結婚は乗り気だったんだ?」
「父さんたちが強引に推し進めたんだろ」
「それでも、届に名前を書いたのはお前自身じゃないか」
帰ると言っているのに、父は立ち上がろうとしない。
それを横目にドアへ向かう。
「……誰かと結婚する理由なんて、ひとつしかないだろ。好きだからだ」
返答は待たずに外へ出た。
廊下は室内に比べて涼しい。すぐにはエレベーターへ向かわず、立ち止まって天井を見上げる。
(『好き』なんて言っても迷惑なだけだろうけどな)
一目惚れした女性を手放したくなくて、都合のいい状況を利用した。
両親のような遠慮のない人間にならないよう気を遣って生きてきたのに、初めて他人より自分の意思を押し通してしまった。
「父さんたちが強引に推し進めたんだろ」
「それでも、届に名前を書いたのはお前自身じゃないか」
帰ると言っているのに、父は立ち上がろうとしない。
それを横目にドアへ向かう。
「……誰かと結婚する理由なんて、ひとつしかないだろ。好きだからだ」
返答は待たずに外へ出た。
廊下は室内に比べて涼しい。すぐにはエレベーターへ向かわず、立ち止まって天井を見上げる。
(『好き』なんて言っても迷惑なだけだろうけどな)
一目惚れした女性を手放したくなくて、都合のいい状況を利用した。
両親のような遠慮のない人間にならないよう気を遣って生きてきたのに、初めて他人より自分の意思を押し通してしまった。