仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 牧師の前で見つめ合うふたりは逆光になっていた。ステンドグラスから差し込む光に照らされ、神秘的な空気を漂わせている。光に透かされていたせいか、それとも私が例によって涙ぐんでしまったせいか、そこに映し出された姿は初々しい新婚夫婦に見えた。

(今回も素敵な式のお手伝いができた……)

 すん、と鼻をすすりそうになり、ギリギリで堪える。

(これからも皆崎さんが夫婦仲良く幸せに暮らせますように。十年後も二十年後も、今日を思い出して笑い合えるような夫婦になれますように……)

 心からの祈りを込めて持てる力のすべてを出し尽くした式を見守った。


 ――問題はその一時間後に起こった。

 式が終わり、着替えを済ませた奥様が私のもとへやってくる。

「望月さん、今日まで本当にありがとう!」
< 21 / 394 >

この作品をシェア

pagetop