仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 でも、一拍後に凍り付く。

(今の……見られてた……?)

 今日までずっと私はこういう自分を隠してきた。それがすべて無駄になってしまう。

「あ、あの、今のは……その……」

「もう隠さなくていい。知ってるんだ、全部」

「え……」

 言われてから、和孝さんが発した言葉を反芻する

(どうして『いつも』こういうことに首を突っ込むんだ、って言った)

 絶句した私に向かって、和孝さんは怒った顔のままスマホの画面を見せてきた。

 そこに映し出されているのはSNSのアカウント。

(……え?)

 そのアカウント名には嫌というほど覚えがあった。

 『サキ』と書かれたそのアカウントと、和孝さんとを交互に見る。

「君が今日、ここで待ち合わせていた相手は俺なんだよ」

 まったく理解できなかった。
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