仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 頭の中は昨夜のことと和孝さんのことで埋め尽くされている。このままでは仕事に影響が出てしまうだろう。

 考えないようにと思えば思うほど意識してしまい、何度も奇声を堪える羽目になった。幸せすぎて怖いという言葉を聞いたことはあったけれど、もしかしてこういう意味なのだろうか。

 そのあとも和孝さんは私になにかとちょっかいをかけてきた。いきなり抱き締めてきたり、耳を甘噛みしてきたり、昨夜を思わせるようなことを囁いてきたり――。

 仕事へ行くぎりぎりまで普通の夫婦以上の時間を過ごした結果、私はひそかに願っていた『行ってらっしゃいのキス』を果たせたのだった。

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