仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
「和孝さんも? どうして?」

「喜んでくれたから」

 変な人だという思いはある。そんなことで喜ぶなんて、普通はないだろう。

 だからきっと私も変なのだ。“そんなこと”で喜ぶ和孝さんを見て、うれしくなっているのだから。

「おいで」

 和孝さんに導かれて車に乗り、物珍しげに見る社員たちへ目を向ける。

 シートベルトを締めながらキーを回した和孝さんに、先ほどのことを聞いてみることにした。

「どうして名刺交換なんてしてたの?」

「頼まれたから?」

「普通、会社の前にいる人にいきなり名刺交換なんて頼まないと思うけど……」

「そこそこ顔が知られてるからじゃないのか?」

「……あ、そっか」
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