仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 すっかり忘れていたけれど、私の夫は誰もが知る家具屋の副社長なのだった。ホームページを見れば写真が載っているし、何度か雑誌やテレビの取材も受けたことがある。

 私がそれを知っているのは本人に聞いたからではなく、実際に自分で調べたからだ。

 と、ここまで考えて首をひねる。

(それにしては、女性社員ばっかりだったような)

 車が動き出す。

 なんとなく胸のあたりがもやっとした。

「……うち、結婚式のプランニングをする会社でしょ。なのにどうして家具屋の副社長と名刺交換するの」

「でもほら、この間みたいなこともあるし」

 和孝さんが言っているのは、世田くんの要請を受けたあのときのことだろう。

「それはそうかもしれないけど……。……んんん、もやもやしてきた」
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