仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 そろりと寝室のドアを開きながら、中で待っているであろう和孝さんに向かって言う。敬語になってしまったのは単純に緊張しすぎたせいだ。

「このまま来なかったらどうしようかと思った」

 もしかしたら寝ているかもしれないという心配は杞憂だった。

 しっかり起きていた和孝さんがベッドの端に腰をかけて、優しい笑顔を向けてくる。

「待ちわびたよ」

 おいでとでも言うように両手を広げられ、きゅんと胸が疼く。ずっと緊張状態にあったこともあり、あとのことは考えず勢いよく腕の中に飛び込んだ。

「うわっ」

 勢いがよすぎて、和孝さんを押し倒してしまう。

 どさっという音が聞こえたかと思うと、私たちは一緒にベッドへなだれ込んでいた。

「ご、ごめん」

「ううん、いいよ」

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