仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 心の繋がりも身体の繋がりも必要とされないとなると、私がこの家にいる理由がわからない。

 ちなみに今日も和孝さんとの会話は必要最低限で、内容も仕事のことや昼間に真里と会ったことなど、まるで業務報告のようなものに終わっている。

「今日も忙しかったの?」

「うん、まあほどほどに」

「そっか。お疲れ様」

「ありがとう」

 好きな人との結婚生活を長引かせたくて、余計なことを言わないようおとなしい自分を演じる。
 求められていなくても、側にいられればいつかは報われるだろうという淡い期待。自分でも笑ってしまうけれど、これが恋なのかと思わずはいられなかった。

(おとなしくしていたら、ちゃんと女性として見てもらえる)

 出会ったあのときの経験が私を支えている。
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