仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
「説明が難しいんだけど……アンティークの家具とか、雑貨がいろいろ……」

 声がだんだん小さくなっていく。

 好きなんだ、というひと言を伝えるだけで解決させられるのに、その言葉は喉の奥に引っ込んでしまった。

 学生時代の元恋人たちは、私の趣味を地味だと否定した。メジャーな趣味でないことはわかっていたけれど、想像以上に馬鹿にされて衝撃を受けたのを覚えている。

(もし、和孝さんにも微妙だなって思われたら?)

 考えた末、絵美さんを絡めて話すことにした。

「お世話になっている花屋さんが教えてくれたんだ。おもしろそうだと思って」

 ――最近出掛けていなかったから。デートをしてみたかったから。自分の趣味を知ってほしかったから。楽しさを共有したかったから。それが私の好きなことだから。
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