怪事件捜査クラブ~十六人谷の伝説~
「殺し? 僕は猪口さんを殺してなんていませんよ。彼女は逃げたんです。それに、僕は大島砂奈を殺してませんよ。火を点けたのは間違いなく猪口ですから、殺したのは猪口です。僕じゃない。だから、怖くなって逃げたんでしょう」
そうきたか。と、要は内心で侮蔑を込めて思った。
大島を殺害するに至る動機は確認出来たが、明確に大島を殺したとは言わないどころか、あくまでも猪口に罪を擦り付けるつもりだ。
田中は、花華ちゃんに止めを刺したのは大島だと言ったが、信用出来ない。要は、密かに田中を睨む。
猪口殺害に関しても、白を切りとおすつもりだろう。田中は存外狡猾な人間だと要は冷静に分析した。だが、猪口が殺害された証拠はある。
要は、ポケットから白い塊を取り出した。焼却炉で見つけた耳栓のような形の平たい物体だ。
「これ、なんだか解ります?」
「何?」
笹崎が横から覗き見る。要は笹崎に向って、物体を近づけた。
「骨ですよ。人間の、指の先の骨。末節骨。おそらく足の趾骨」
「ひえっ!」
笹崎は悲鳴を上げて後退さった。
「〝燃やされた。みんな、そう。でも、あの人だけは砕かれた〟」
「は?」
笹崎が怪訝な表情で要を見る。由希は渋面を作って、田中を見据えた。胸が苦しかった。彼女達に起こった悲劇を思うと、胸が張り裂けそうだった。
「砕かれたのは誰だろう? ねえ、田中さん?」
挑発するように、要は片方の眉を釣り上げて笑う。
「あなたは猪口さんの遺体が見つからない自身がありましたよね? だから、堂々と猪口の遺体は見つかったのかと我々に詰問出来たわけです」
田中は何も答えない。反論もせず、ただ俯いて床を眺めている。その姿はどこか不気味だ。
「あなたは猪口の遺体を燃やした。それはあのときですね? みんなでカップラーメンを食べている中、あなたが一人、ゴミを燃やすと出て行った夜」
田中はやはり何も答えない。要は構わず続けた。
「あなたは猪口の遺体を焼却炉で燃やし、骨だけになった彼女を金槌か何かで砕いた。そして、それを川にでも撒きましたか? それとも風に飛ばしましたか? 風に撒かれたら、粉々に砕かれた骨を見つけるのは至難の業でしょう。だけど、ここに猪口さんの骨はありますよ。残された舌と共にDNA鑑定されれば、誰の者か解るはずです」
そうきたか。と、要は内心で侮蔑を込めて思った。
大島を殺害するに至る動機は確認出来たが、明確に大島を殺したとは言わないどころか、あくまでも猪口に罪を擦り付けるつもりだ。
田中は、花華ちゃんに止めを刺したのは大島だと言ったが、信用出来ない。要は、密かに田中を睨む。
猪口殺害に関しても、白を切りとおすつもりだろう。田中は存外狡猾な人間だと要は冷静に分析した。だが、猪口が殺害された証拠はある。
要は、ポケットから白い塊を取り出した。焼却炉で見つけた耳栓のような形の平たい物体だ。
「これ、なんだか解ります?」
「何?」
笹崎が横から覗き見る。要は笹崎に向って、物体を近づけた。
「骨ですよ。人間の、指の先の骨。末節骨。おそらく足の趾骨」
「ひえっ!」
笹崎は悲鳴を上げて後退さった。
「〝燃やされた。みんな、そう。でも、あの人だけは砕かれた〟」
「は?」
笹崎が怪訝な表情で要を見る。由希は渋面を作って、田中を見据えた。胸が苦しかった。彼女達に起こった悲劇を思うと、胸が張り裂けそうだった。
「砕かれたのは誰だろう? ねえ、田中さん?」
挑発するように、要は片方の眉を釣り上げて笑う。
「あなたは猪口さんの遺体が見つからない自身がありましたよね? だから、堂々と猪口の遺体は見つかったのかと我々に詰問出来たわけです」
田中は何も答えない。反論もせず、ただ俯いて床を眺めている。その姿はどこか不気味だ。
「あなたは猪口の遺体を燃やした。それはあのときですね? みんなでカップラーメンを食べている中、あなたが一人、ゴミを燃やすと出て行った夜」
田中はやはり何も答えない。要は構わず続けた。
「あなたは猪口の遺体を焼却炉で燃やし、骨だけになった彼女を金槌か何かで砕いた。そして、それを川にでも撒きましたか? それとも風に飛ばしましたか? 風に撒かれたら、粉々に砕かれた骨を見つけるのは至難の業でしょう。だけど、ここに猪口さんの骨はありますよ。残された舌と共にDNA鑑定されれば、誰の者か解るはずです」