ニセモノの白い椿【完結】


二人の門出の日を、最高の晴天で迎えた。

翌日、控室で、両家の親族(と言っても、本当にお互いの家族のみ)の簡単な顔合わせをした。
両親同士は、既に顔見知りのようだったが、私は沙都ちゃんのご家族に会うのは初めてだった。

「初めまして、眞の姉の生田椿と申します。このたびは、誠におめでとうございます。眞のこと、どうぞよろしくお願い致します」

オンの生田椿で、きっちり挨拶をする。

「これはこれは……お噂には聞いておりましたが――」

沙都ちゃんのお父様は、本当に温厚で優しそうな方で。

「ちょっと、お父さん。見惚れていないでちゃんとご挨拶して。すみませんね。こちらこそよろしくお願い致します。沙都が仲良くしていただいているみたいで、お話は聞いていますよ。
それにしても、本当にお綺麗ね。さすがは、眞さんのお姉さまね!」

「いえ、そんな」

沙都ちゃんのお母様も、親しみやすい笑顔を向けてくれる素敵な方で、心の中で眞に「ラッキーな奴め」と呟く。

「――そろそろ、お式が始まるみたい」

どこからともなく聞こえて来た声に、自分が主役でもないのに緊張する。
でも、それ以上に緊張を帯び始めた沙都ちゃんのお父様が、カチコチになりながら一足先に控室を出て行った。

それも、そうか。
バージンロードを沙都ちゃんと一緒に歩くという大役が待っている。


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