ニセモノの白い椿【完結】

その夜は、ホテルの窓から、満天の星が見えた。
東京とは全然違う、すぐにでも触れられそうな場所で輝いて。

昼間の、どこかふざけていた雰囲気はどこへ投げ捨てて来たのか、私を抱く手は執拗で激しかった。

「――もっと、俺に溺れなよ。もっと、もっと」

息つく間も与えない、荒々しい手つきが私の胸を甘くひりつかせる。
何かに追い立てられているみたいな、切迫感のある声も指も、ただ私を昂ぶらせた。

「俺のことしか考えられないくらい……っ」

背中に感じる木村の胸は恐ろしく熱くて、それだけで焼き尽くされそう。
後ろから押さえつけられて、とめどなく襲って来る快感から逃れることも出来ない。

必死で枕を掴んで堪える。

「そんなに必死に掴むのは、俺にして」

突然身体を反転させられて、抱き上げられた。
向き合ってきつく締め付けられた身体は、ただでさえ敏感になっているのに、もうそれだけで震えてしまう。
もう何もかもかなぐり捨てて身体全部で求めたいと、身体中が叫び出す。

「俺から、絶対に目を逸らさないで」

向き合ったまま、無理矢理に視線を合わせて。
恥ずかしくて耐えられないのに、視線をそらすことも許さない。

「あなたは、ずっと、俺といるんだから」

――ドクン。

一際大きく胸が跳ねる。

「それだけは、絶対――」

噛みつくようなキスが降ってくる。
全部まじりあって、一つになってしまいたい。

そうしたら、ずっと一緒にいられるのにね――。

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