ニセモノの白い椿【完結】
「ところで。今日は、このメンバーでどういう集まりなの?」
木村が何食わぬ顔で、私たちを見回す。
どういう集まりか――。
誰がどう答えるのかと、黙って白石さんと立科さんの様子をうかがう。
「新しくいらした生田さんの歓迎会というのを口実に、どうしてもお話しするきっかけがほしいと立科さんが。だから、私はオマケみたいなものなんですよー。ね、立科さん」
白石さんが少し頭を傾けながらニコっと立科さんを見る。
一切オブラートに包まない白石さんの発言に、唖然とする。
「……別に、白石さんがオマケってわけじゃないよ」
そのせいで、立科が気まずそうな表情をした。
――でも。この立科という男は、そういうタイプじゃない気がしたが。
職場でも平気で私に声を掛けて来ていたし。
女性に対して物怖じしたり、緊張したり。そんな性格だとは思えない。
今日は、どうした――?
不思議に思いながら、真向かいに座る立科を観察してみる。
「どうしちゃったんですか? 立科さん、いつもより口数少ないですね……あっ、もしかして――」
大袈裟に驚いた素振りをして、白石さんが両手で口元を押さえる。
一体、何よ。
隣に座る白石さんに視線を向ける。
「改めて生田さんを間近にして、あまりの美しさに緊張して来ちゃった、とか?」
何を言い出すかと思えば。
この人、そんなタイプじゃないでしょ――。
と思っていたら、何故か立科さんが私から目を逸らし、ぼそっと呟いた。
「――制服姿じゃない、私服姿を初めて見たから」
は――。
「綺麗なのは分かっていたけど、今日の生田さんはそれ以上で。俺、こんなに綺麗な人、これまで会ったことない。だから、緊張してる」
え――?
なんだ、それ。
緊張するのか、口説くのか、どっちかにして。
どこか顔を赤らめながらそんな言葉を吐いている立科を引いた目で見る。
「きゃーっ! 立科さん、ストレート過ぎますって――」
「――立科、おまえはそんなタマじゃないだろ」
きゃっきゃっと喜んでいる白石さんをぶった切るように、木村の声が切り込んで来た。