契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
その日の夜、実家の父に妊娠を報告した。

「そっか…杏南がママになるのか…」

「はい…予定日は今の所、来年の六月二十一日です」

「そっか…六月生まれになるのか…」

父も喜び、すぐさま仏壇の母に報告した。

「澄子、杏南がママになりそうだ…後少し長く生きていたら、お前も孫に会えたかもしれないのに…」

「お父さん…」

私の仏壇の母にそう語り掛ける父の姿を見て涙を浮かべる。

「杏南…」

俊吾は私の肩に手をかけ、慰めてくれた。

「カラダ…大事にしないとな」

「うん」

「杏南もママか…」

浩平兄と葉月さんも私の妊娠を祝福してくれた。

「僕の弟か妹が出来るんだね…」

「それは違うぞ…雄平」

「お前のいとこが出来るんだ…仲良くしてやれよ…」

「うん…可愛がってあげる…」

「ありがとう、雄平君」

「でも、赤ちゃんってどうやったら、デキるの?」

雄平君の素朴な疑問に誰一人として応えられなかった。
< 160 / 224 >

この作品をシェア

pagetop