契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「どうした?杏南」
私の頓狂な声を厨房で訊いていた父と兄が何事かと出て来た。
「小泉さん。娘さんをお借りしたいんです」
「杏南を?今日は確か・・・俊吾様の挙式披露宴のはず…」
「それがその・・・相手の新婦・『協和エレクトロニクス』の社長令嬢・工藤亜優様が恋人と駆け落ちしまして・・・工藤家も我が長谷川家も式場関係者もてんわやんわで・・・」
「…だからってどうして私なんですか?」
「両家には俊吾様と釣り合う年齢の女性が居ないんですよ…だからと言って・・・新婦が逃げたなんてコトが知られたら、旧家財閥の長谷川家の威信に関わります」
「杏南…花嫁役を引き受けなさい・・・日ごろから我がベーカリーショップを贔屓にしてくれている一元さんだ」
「・・・分かりました」
「ありがとうございます。お車まで案内します。杏南ちゃん」
私の頓狂な声を厨房で訊いていた父と兄が何事かと出て来た。
「小泉さん。娘さんをお借りしたいんです」
「杏南を?今日は確か・・・俊吾様の挙式披露宴のはず…」
「それがその・・・相手の新婦・『協和エレクトロニクス』の社長令嬢・工藤亜優様が恋人と駆け落ちしまして・・・工藤家も我が長谷川家も式場関係者もてんわやんわで・・・」
「…だからってどうして私なんですか?」
「両家には俊吾様と釣り合う年齢の女性が居ないんですよ…だからと言って・・・新婦が逃げたなんてコトが知られたら、旧家財閥の長谷川家の威信に関わります」
「杏南…花嫁役を引き受けなさい・・・日ごろから我がベーカリーショップを贔屓にしてくれている一元さんだ」
「・・・分かりました」
「ありがとうございます。お車まで案内します。杏南ちゃん」