契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
挙式披露宴会場となる『ダイヤモンドホテル・山手』に到着。
「代役の女性を連れて来ました・・・俊吾様」
黒崎さんは新郎の控室へと私を案内した。
白いタキシード姿の彼が悠然とソファに腰を下ろし、私を見る。
俊吾さんと顔を突き合わせるのは二十年振りだった。
いつもは遠目でしかお目にかかれない人。
生まれが高貴な彼はタキシードを卒なく着こなし、恰好良く、思わず見惚れてしまった。
「杏南!?」
俊吾さんの眼鏡の奥の切れ長の瞳が円くなった。
「ベーカリーショップ「ひたなぼっこ」の小泉杏南(コイズミアンナ)さんです。俊吾様」
「紹介されなくても分かる。どうして、彼女なんだ?黒崎」
「頼める女性が他に居なかったもので…すいません」
黒崎さんは私を不服そうに見る俊吾さんに腰を折った。
「長谷川社長のお知り合いですか?よく見ると…亜優に似ていますね」
ロマンスグレーの細身でダンディな男性が新婦の父親のようで、私と娘が似ていると言って俊吾さんを説得した。
「・・・調子がよろしいようで。
娘を逃がしておいて…本来なら業務提携の話は白紙ですよ。工藤社長」
「申し訳ありません…娘のコトは何とか探し出して、恋人と別れさせます」
「それは結構だ。男と逃げた女に用はない」
俊吾さんは冷たく言い放ち、腰を上げた。
「杏南君も結婚を深く考えない方がいい。結婚なんて所詮、契約の一つだ」
「えっ?」
結婚は人生の一大イベンドだと考えていた。
それをビジネスように契約だと言う俊吾さん。
それは可笑しいと反論しようとした矢先。
「黒崎、早く彼女をウエディングドレスに着替えさせてくれ」
黒崎さんに命令した。
「はい、ただいま!!行きますよ。杏南ちゃん」
「代役の女性を連れて来ました・・・俊吾様」
黒崎さんは新郎の控室へと私を案内した。
白いタキシード姿の彼が悠然とソファに腰を下ろし、私を見る。
俊吾さんと顔を突き合わせるのは二十年振りだった。
いつもは遠目でしかお目にかかれない人。
生まれが高貴な彼はタキシードを卒なく着こなし、恰好良く、思わず見惚れてしまった。
「杏南!?」
俊吾さんの眼鏡の奥の切れ長の瞳が円くなった。
「ベーカリーショップ「ひたなぼっこ」の小泉杏南(コイズミアンナ)さんです。俊吾様」
「紹介されなくても分かる。どうして、彼女なんだ?黒崎」
「頼める女性が他に居なかったもので…すいません」
黒崎さんは私を不服そうに見る俊吾さんに腰を折った。
「長谷川社長のお知り合いですか?よく見ると…亜優に似ていますね」
ロマンスグレーの細身でダンディな男性が新婦の父親のようで、私と娘が似ていると言って俊吾さんを説得した。
「・・・調子がよろしいようで。
娘を逃がしておいて…本来なら業務提携の話は白紙ですよ。工藤社長」
「申し訳ありません…娘のコトは何とか探し出して、恋人と別れさせます」
「それは結構だ。男と逃げた女に用はない」
俊吾さんは冷たく言い放ち、腰を上げた。
「杏南君も結婚を深く考えない方がいい。結婚なんて所詮、契約の一つだ」
「えっ?」
結婚は人生の一大イベンドだと考えていた。
それをビジネスように契約だと言う俊吾さん。
それは可笑しいと反論しようとした矢先。
「黒崎、早く彼女をウエディングドレスに着替えさせてくれ」
黒崎さんに命令した。
「はい、ただいま!!行きますよ。杏南ちゃん」