契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
******
新郎の俊吾さんと私は同じ控室に戻った。
彼は花嫁姿の私には見向きもせず、茶を啜る。
彼の口許を見ると先ほど交わした誓いのキスが脳裏に過り、顔が赤くなる。
ファーストキスがこのような形で奪われるなんて…
「・・・杏南君が黒崎に言って、代役の花嫁をかって出たのか?」
「・・・私は黒崎さんに頼まれて引き受けただけです」
「嘘をつくなよ…君は昔、俺のお嫁さんになると言って、プロポーズしてたじゃないか」
いつの話よ!?
確かに幼い時、私は彼にそう言っていた。
でも、それは…
「まぁ~君にはプロポーズもされたし、殺されかけ、色々とあったけど。俺達はこうなる運命だったんだと受け入れよう」
「!?」
「俺は君を妻として迎え入れる。AIの指示では三十歳までに結婚して子作りをしなければ、後継者には恵まれないらしいからな」
「AIって?」
「人工頭脳だ。知らないのか?」
「知ってますけど…」
「そう言うコトだ。工藤社長の娘が戻って来ても、俺は結婚する気などない。
他の男と挙式当日に逃げ、俺に恥をかかせようとした女だからな」
新郎の俊吾さんと私は同じ控室に戻った。
彼は花嫁姿の私には見向きもせず、茶を啜る。
彼の口許を見ると先ほど交わした誓いのキスが脳裏に過り、顔が赤くなる。
ファーストキスがこのような形で奪われるなんて…
「・・・杏南君が黒崎に言って、代役の花嫁をかって出たのか?」
「・・・私は黒崎さんに頼まれて引き受けただけです」
「嘘をつくなよ…君は昔、俺のお嫁さんになると言って、プロポーズしてたじゃないか」
いつの話よ!?
確かに幼い時、私は彼にそう言っていた。
でも、それは…
「まぁ~君にはプロポーズもされたし、殺されかけ、色々とあったけど。俺達はこうなる運命だったんだと受け入れよう」
「!?」
「俺は君を妻として迎え入れる。AIの指示では三十歳までに結婚して子作りをしなければ、後継者には恵まれないらしいからな」
「AIって?」
「人工頭脳だ。知らないのか?」
「知ってますけど…」
「そう言うコトだ。工藤社長の娘が戻って来ても、俺は結婚する気などない。
他の男と挙式当日に逃げ、俺に恥をかかせようとした女だからな」