契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
薬の効用か…過呼吸は起きなかった。
彼は組み敷かれながらもどうすればいいかわからない私のカラダに触れて来た。
その指先は非常に優しく繊細で巧みだった。

彼もカラダを起こし、私の首筋に唇を這わせて大きな手は優しく高鳴った心臓を優しく静めるようにそっと胸に包み込んだ。

酒井先輩のように乱暴な手つきではなく、優しく労わるような触れ方だった。

彼の愛を感じ、徐々に私のカラダからは警戒心と恐怖心が跡形もなく消えていった。


「俊吾…」

「俺が怖くないか?」

俊吾は色素の薄い瞳でジッと私を見つめた。

「うん」
私は強く縦に首を振った。

「じゃこの先…続けてもいいな…」

「うん・・・」

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