身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「ごめんなさい。自分の子かもって、心配されましたよね。大丈夫です。晴斗さんの迷惑になるようなことにはなっていないので」
「迷惑って――」
「今は、その彼とよりも戻して、この子が生まれるのを楽しみにしているんです。だから、もう私のことを気に掛けることはしなくて大丈夫ですので」
嘘を並べて胸が苦しいけれど、これだけ言えば晴斗さんも良かったとホッとしてくれるはず。
「すみませんでした」と頭を下げてゆっくりと立ち上がった時、お腹がぎゅうっと張り、つい顔を歪めていた。
「どうした?」
「……あ、大丈夫です。ちょっとお腹が張って」
そう答えると、晴斗さんは「立たないほうがいい」とすかさず私の腕を掴んでソファに座らせる。
「よく張るほう?」
「はい。張り止めの薬を飲んでます」
「そっか、切迫気味なんだな。それなら座ってるより横になったほうがいい」
私からコートを脱がせ、晴斗さんは横になるように促す。
「え、大丈夫です」
「座ってても赤ん坊は下がってくるから。張ってる時はなるべく体を水平にしたほうがいい」
横になることを躊躇する私に晴斗さんは「医者の言うことは聞いたほうがいいぞ」と言う。
そう言われてしまうと成す術がなく、素直に横にならせてもらうことにした。