身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


『え? 何そのテンション。沖縄に行ってる人の声のトーンじゃないんだけど』

「それは、まぁ……」

『何、なんかあったの? 財布落としたとか?』

「財布は……落としてないんだけどね。うん、なんというか……」

『……? 何よ。それより深刻なこと? 彼と一緒なんでしょ? ケンカでもしたとか?』


 ケンカ……。そんなもんだったら幸せだ。


「今……ひとりなんだ」

『え? え、何、やっぱりケンカしたってこと? 沖縄まで行って何やって――』

「違くて……ひとりで、来てるの」


 そう言うと、意味がわからなかったのか一瞬の沈黙が流れる。


『へ……? ひとりでって、何、沖縄にひとりで行ってるってこと?』


 訊き返してしまうのも無理はない。

 逆の立場なら、私だって同じことを訊き返す。


「昨日……別れた」

『……へっ!? 別れたって……え、何、それなのにひとりで旅行行ってるの!?』

「まぁ、そんな感じ……」

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