身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「ねぇ、佑杏」


 パニックを起こしかけている私に、お姉ちゃんの冷静な声がかけられる。


「その子の父親、その成海先生の子なんだよね? だったら、ちゃんと彼と話したほうがいいんじゃないかな。元カレの子だなんて、嘘つかないで」


 真剣な眼差しで私を見つめ、お姉ちゃんは諭すように言う。

 さっき驚いて跳ね上がった鼓動が、主張するように大きく鳴り響いていく。

 外まで聞こえているんじゃないかと思えるほどで、胸に手を置いた。


「あの様子だと、佑杏のこと心配してるんだと思う。昨日、元カレの子だって言われたから、何も言えなかったのかもしれないけど、本当は自分の子かもって彼も思ってて、それでここまで来たんじゃないかって……」


 お姉ちゃんにそう言われて、昨日の晴斗さんの言葉が頭に蘇る。


『このお腹の子、父親は俺だよね?』


 確信したような、そんな訊きかただった。

 だけど私は、それを〝はい〟と認めて、拒絶されることに予防線を張った。

 これ以上、傷付きたくないから。

 彼の口から、拒絶されるのを恐れて……。


「もしかしたら、佑杏のことちゃんと想ってくれてて、そのお腹の子のことも、これから先のことを一緒に――」

「違うよ。それは、違う……」

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