身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
お姉ちゃんの声を遮り、被せるように返した声が広い病室に響く。
私の声にお姉ちゃんの肩が小さく揺れたのを見た。
「私がここにいるって知って、もし自分の子なら、何か責任を取らなくちゃいけないって、思ったのかもしれない。体のことを心配してくれるのも、彼が優しい人だからで……私に、何か特別な感情があるとかじゃない」
「佑杏……」
「それに……もうこれ以上、傷付きたくないの」
誰かを好きになって、突き落とされるように傷付くことはもう経験したくない。
「元カレにあんな酷い仕打ちをされたことは、晴斗さんには全く関係ない……だけど、男の人を信用できない気持ちはあって、怖い。また、あんな風に傷付きたくないって思う」
あの記憶はトラウマだし、未だに心の傷として胸のどこかに鋭い何かが刺さったまま。
あんな風にずたずたに傷付くくらいなら、誰かのぬくもりなんて最初から求めないで、ひとりでいた方がいいに決まっている。