身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「どうして……っ、どうして、そんなこと、言ってくれるんですか?」


 涙のせいで声が途切れる。

 そんな私の手を握ったまま、晴斗さんは目尻を下げた。


「どうしてって、俺がそうしたいから。それじゃだめか?」


 迷いなくはっきりとそう言われて、ふるふると横に首を振る。

 晴斗さんはまた柔和な笑みを浮かべ直した。


「退院したら、一緒に住もう」

「え……」

「お腹の子を迎え入れられる場所を、ふたりでちゃんと用意して」


 晴斗さんのかけてくれる言葉ひとつひとつが、怯えて凍てついた心に温かい陽を注ぐようだった。

 それでも臆病な私は、彼の懐に飛び込んでいく勇気が出せない。

 ただ静かに涙をこぼすだけで精一杯。


「でも、幸せにするなんて言ったことが口だけじゃないってこと、ちゃんと証明していきたい。もし、佑杏が俺とじゃ幸せになれないって思えば、同居を解消してもらって構わない」


 私の目を真剣な眼差しで見つめ、晴斗さんは温和な口調でそんなことを言う。

 そして、幾度も涙が流れた頬にそっと指で触れた。

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