身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
お腹の張りも再び落ち着き、安静にすれば退院してもいいとお許しをもらえた。
一緒に住もうと言ってくれた晴斗さんは、来たるべきその日に向けて、年末から一緒に住む新居をひとり探してくれていたのだ。
ここに顔を出しては、候補の住まいの資料を持ってきてくれて、ふたりでああだこうだいいながら眺めていた。
そんなささやかな時間ですら幸せを感じられて、本当に晴斗さんがそばにいるんだということを日に日に実感し始めている。
住まいが決まると、晴斗さんは忙しい勤務の合間をぬって、すぐに住めるように様々な手続きや手配をしてくれた。
退院が決まった今日は当直明けなのに、お昼過ぎに私を迎えにきてくれるという。
私とのことでいろいろ休みも返上にさせてしまい、疲れていないかだけが心配だ。
今日から一緒に住み始めるけれど、自分の体と相談しながら晴斗さんを気遣えたらと思っている。
だけど、一緒に住むということが未だに信じられない。
言ってみれば、新たに始まった晴斗さんとの関係すら実感が湧かないでいる。
「あ、そうだ」
独り言を呟き、ベッドサイドのテーブルからお姉ちゃんに持ってきてもらっていたメイクポーチを手に取る。
退院だし、少しくらいメイクしておこうかな。
さっきのお姉ちゃんの〝恋する乙女〟発言を思い出し、ひとりクスッと笑ってしまった。