身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
妊娠後期に再会を果たし、バタバタと出産の運びになった私たちの事情を知っているお姉ちゃんは、退院後一か月健診を終えてから杏莉を預かって夫婦の時間を作ってあげようと前々から考えていたという。
お姉ちゃんは「これが私からの出産祝いだと思って」なんて言っていた。
晴斗さんのお休みに合わせて有給休暇を取り、丸一日子守りをすると言ってくれたことには感謝しかない。
「観たいって言ってた映画、三時過ぎからだからその前に一か所行きたいところがあるんだ」
「はい、どこですか?」
信号で停車した晴斗さんは「どこだと思う?」と言って端整な横顔に微笑を浮かべる。
今日は普段は病院に着て行かないダークグレーのシャツに綺麗なブルーのネクタイを締め、ブラックのスリーピースを身に付けている晴斗さん。
その格好が一段と晴斗さんの魅力を引き立てている。
ホテルディナーに行くと言うから、私も久しぶりにスモークブルーの袖が変形フリルになっているワンピースを着てきた。
家で過ごす時は授乳を考えて前開きのブラウスやシャツワンピを着ているから、こういう背中にファスナーがある余所行きなデザインの服は久しぶりだ。
高くはないけどヒールの靴なんかも久々に履いたら、女子力が上がったような気分になれた。