身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 晴斗さんと東京で再会したあの日、貴晴さんが訪ねてきて晴斗さんを連れていった先は、里桜さんに双子だと証明するためだったとあとから聞いた。

 晴斗さんとお腹の大きかった私が歩いているのを見かけた里桜さんは、貴晴さんが別の女性とお付き合いをしているのだと勘違いしてしまったという。

 それも、連れていたのは妊婦だったから相当ショックを受けたに違いない。

 里桜さんもそれまで、ふたりが双子の兄弟とは知らなかったのだ。


「佑杏さんが謝ることじゃないです! 私の早とちりだし、佑杏さんと晴斗さんは全く悪くないですから!」


 里桜さんは両手をぶんぶん顔の前で振りながら謙虚に否定する。

 私のほうも「いえいえ、そんな!」と返し、お互いに謝り合ってしまった。


「でも、その時の子がここにいる杏莉ちゃんだと思うと、なんだか感慨深いというか……」

「確かに、そうですね」


 里桜さんに「抱きますか?」と訊き、杏莉を預ける。

 里桜さんは少し緊張した面持ちで慎重に杏莉を腕に抱いた。

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