身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 ウミカジテラスを出てから、一度ホテルへと車を走らせた。

 帰りながら、このあとどうするかで迷いが生じる。

 またお店においでと呼んでもらったけれど、本当に行ってもいいのだろうか?

 ひとり旅だと言ったから、きっと社交辞令で誘ってくれたのだと思う。

 ホテルのプランは朝食のみがついたプランだから、夕食は自由に好きなところで食べることができる。

 今晩の夕食もホテルのレストランに入ろうと思ってはいたけど、せっかく声を掛けてもらったしと、思い切ってまたウミカジテラスに向かうことにした。

 何より、晴斗さんのピアノをまた聴きたいと思う。

 今晩行かなかったら、もしかしたらもう聴くこともできないかもしれない。

 ホテルの部屋で一息つき、十八時前に再び車に乗り込む。

 ホテルからウミカジテラスまで直接向かうと、だいたい一時間程度で到着した。

 陽が落ちてから再び訪れたウミカジテラスは、昼間とはまた違った雰囲気で私を迎えてくれる。

 それぞれの店舗が放つ明かりに加え、街灯に使われている松明が白い建物をセピア色に染め上げている。

 ところどころに植えられた椰子の木の葉の影が、建物にゆらゆらと映し出されていた。

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