身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「……わかんない。急にくらくらきて」
「え、ちょっと大丈夫?」
お姉ちゃんに肩を抱かれ、「ちょっと休みな」と奥のソファに連れていかれる。
その間も目が回るような感覚に襲われ、覚束ない足取りでソファに腰を下ろした。
「やだ、貧血? 生理中とか?」
「ううん」
「佑杏、今まで貧血になったりとかなかったもんね」
「うん……しばらく生理はきてなくて。そのせいかな?」
「え? しばらくって」
結局、生理ナプキンを買ったもののあれから一向にくる気配がなく、もう六月に入ってしまった。
最後の生理からもう二か月以上が経っている。
「三月の生理のあと、不順になったのかこなくて……そろそろ病院行ったほうがいいのかなって思ってたところで」
「え……念のためだけど、別れた彼氏と体の関係持ったのって沖縄行く前にあった? 別れる寸前とか」
依然落ち着かない目眩に額を押さえながら、「それはない」と答える。
元彼と最後に関係を持ったのは、もう大分前のこと。
向こうは浮気をしていたわけだし、特に求められることもなかったことには今となっては納得がいく。