身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 生理が来ないだなんてそんな話ならなければ、あの沖縄の一夜をお姉ちゃんに話す予定もなかった。


「それで、その相手とはそれっきり? どんな人だったの」


 後の質問は単なる興味のようだけど、お姉ちゃんは相変わらず真剣な表情を見せている。


「うん、それっきり。連絡先を交換することもなかったし、私も向こうも、そのつもりはなかったよ。少し年上の、医者だって言ってた」

「医者!? ドクター!?」

「うん。東京のほうから沖縄のほうに行って仕事してるって言ってた。離島とか、あのほら、ドクターヘリとかあるでしょ? そういうのに乗ったりもするって」


 仕事についてはそれくらいしか聞けなかったけれど、とにかく沖縄には旅行で来ているわけではなかった。


「なんか、すごい相手だったわけね……じゃあ、出向かなんかで沖縄に行ってるみたいな感じか」

「たぶん、そういうことなんだと思う」

「で、そういうことになったっていうのは別にいいわよ。いい大人なんだし、自己責任。問題は、避妊はしたのかっていうことよ」


 仕事柄、そういう質問に抵抗がないのはわかるけれど、ストレートに訊かれるとこっちが動揺しそうになる。

< 83 / 238 >

この作品をシェア

pagetop