Pride one
優月が車を停めるとそのうちの一人が側に来て、場内の友人用の待合いに案内してくれたのだが、座る場所はおろか、落ち着いて立っていられる場所すらないほどの混雑ぶりだった。人ごみの中で見知った顔を探したが、どこにも見当たらない。
(そりゃまあ、飼い犬の結婚式とか言われて、静岡から来るやついないよね)
強引にこの場所まで来させられたのは優月だけということでもあった。
受付だけ済ませて、優月は待合所を出た。それから吹き抜けになったエントランスも通り抜け、通路沿いにいくつか並べられているソファに座った。
近い時間に何組も式があるのか、式場スタッフはインカムでやり取りしながら、忙しそうに行き来している。
欠伸をかみ殺しながら背もたれに寄りかかっていると、ようやく見覚えのある顔を見つけた。優月は立ち上がり、背筋をぴんと伸ばした。美波の母だ。
「ゆずちゃんじゃない。わざわざ来てくれたのね、遠くから本当にありがとうね。ごめんねえ、美波がいつもわがままばっかり言って」
小さくて丸い、美波そっくりの目が細くなる。
(そりゃまあ、飼い犬の結婚式とか言われて、静岡から来るやついないよね)
強引にこの場所まで来させられたのは優月だけということでもあった。
受付だけ済ませて、優月は待合所を出た。それから吹き抜けになったエントランスも通り抜け、通路沿いにいくつか並べられているソファに座った。
近い時間に何組も式があるのか、式場スタッフはインカムでやり取りしながら、忙しそうに行き来している。
欠伸をかみ殺しながら背もたれに寄りかかっていると、ようやく見覚えのある顔を見つけた。優月は立ち上がり、背筋をぴんと伸ばした。美波の母だ。
「ゆずちゃんじゃない。わざわざ来てくれたのね、遠くから本当にありがとうね。ごめんねえ、美波がいつもわがままばっかり言って」
小さくて丸い、美波そっくりの目が細くなる。