Pride one
「優月くんかな」
 今度はよく通る男の声で呼びかけられて、優月は顔を上げた。

「はい」
 男はほっとしたように表情を緩めた。白のタキシードとのコントラストで、日焼けした肌がやけに目立つ。

はっきりとした二重の目尻には、太い笑い皴があった。快活な雰囲気の男ではあるが、頭髪には白髪も目立ち、どんなに若く見積もったとしても、四十台半ばといった感じだった。

「初めまして、金城一生といいます」
「あ、美波の」
 恋愛に年齢は関係ないとはいうが、信じられない気持ちだった。

「はい。優月くんと話が出来たらと思って、抜け出してきてしまった。今、少しだけいいですか」
「それは、もちろん」

 お祝いの言葉を言っていいものかどうかも判断がつかないまま、斜め向かいの親族控え室に入った。南国の花々に彩られた明るい部屋には、今は誰もいなかった。

 優月は金城に勧められるがまま、ソファにかけた。

「美波から優月くんの話はよく聞いていました。美波が二十年以上ずっと片想いだったのは、一体どんな子なのかなって興味があった」

「……すみません、こんなで」
 優月は目線だけ金城に向けたまま、軽く頭を下げた。
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