救われ王子にロックオン~溺愛(お礼)はご遠慮させて頂きます~
「お誕生日おめでとうございます。僕はN島出身の医学生で島浦圭吾といいます。聖川さんには島の診療所や観光開発のことで大変お世話になって・・・本当にありがたく思っています」

あの日以来、光治が勝手にやきもちを妬いていたのは、島の診療所で将来、医師として働きたいと言ってくれた、ある意味、光治の恩人でもある医学生だったのだ。

「今、圭吾くんはセントヒルズホスピタルで研修をしているの。この間、仕事帰りにバッタリ会って、今日光治くんの誕生会をするって話したら是非自分もお礼を言いたいってお願いされたから来てもらったんだよ」

そう、笑顔で告げるあやめに合わせる顔がないと光治はうつむいた。

「どうしたの?顔が赤いけど熱でもある?」

そう言って覗き込んでくるあやめが愛しい。

光治は思わずぎゅっと抱き締めてしまったのだが

「こらこら、いくら新婚さんだからって人前でいちゃつくのは風流とはいえないな。俺達もわざわざ光治の誕生日を祝ってやるんだぞ。少しは遠慮しなさい。プレゼントはやらんぞ」

そう言って憎まれ口を叩く店主・創生に邪魔されそうになった。

「いらない。今日はもう一番欲しいプレゼントをもらったから」

満面の笑みを浮かべて笑う光治はレア中のレアだ。

驚きに目を見張るあやめは、意を決して光治の首に腕を回し

「私の愛する王子様。姫はとっくに貴方の虜です」

と耳元でそっと囁いた。

ひゅーっ、と冷やかしの声がまつやに響く。

王子様は救いだした姫の愛の言葉をもらい満足して素敵なお城の中で末長く幸せに暮らしましたとさ。





おしまい



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