救われ王子にロックオン~溺愛(お礼)はご遠慮させて頂きます~
「ランニング関連の物はすでに一通り揃えていて、だから新しい物はいらない・・・」

「あやめ様は私の準備したものではご満足頂けないと?あやめ様のお肌やお御足を守るグッズをご用意しましたのに余計なお世話だったと?役に立たない執事など早々にクビになることでしょう・・・」

よよよ・・・と目元を覆う田中に光治は何も言わない。

゛まさか本当にそんなことぐらいでクビに?゛

という目で光治と田中を見つめるが二人からは沈黙しか返ってこない。

居たたまれなくなったあやめは、とうとう田中が準備したプレゼントを受けとることを同意してしまった。

「ところであやめさん、明日と明後日は休みで間違いないですよね?」

満腹になったあやめはさすがに箸休めをしていた。

もうこれ以上隙は見せないぞ、と肩に力を入れたあやめは警戒しながら頷いた。

「ええ、今週は5日間日勤続きでしたから土日が週休になりますね。その後3日間の夏休みと2日間の有給休暇をもらったので1週間の長期休暇になりました」

「それならお時間に余裕は・・・」

お誘いが来るに違いないと身構えていたあやめは、すかさず

「休みは実家に帰るんです」

と先制パンチを繰り出した。

「ご実家に?」

「ええ。少し距離があるんです」

いや、少しではない。結構、距離がある。

その上、光治は忙しい身の上だ。

急に休みは取れる筈はない、とあやめは高を括っていた。

だが相手は天下の旧聖川財閥の御曹司。

現在は、泣く子も黙る聖川ホールディングスの次期当主候補なのである。

あやめは、光治の財力と行動力を侮っていた。
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