誘拐は激甘生活の始まりVI
杏菜とダミアンは笑い合い、また抱き締め合う。そしてダミアンが言った。

「それじゃあ、正式に申し込んでいいかな?」

「何をですか?」

杏菜が首を傾げていると、ダミアンがポケットから小さな箱を取り出す。箱の中に入っていたのは、ピンクダイヤモンドの綺麗な指輪だった。

「僕と結婚してください」

「はい」

ピンクダイヤモンドの指輪が、杏菜の薬指にはめられる。ピンクダイヤモンドは「完全無欠の愛」という意味があり、永遠の愛を誓う言葉がたくさんあるのだとダミアンが教えてくれた。

「私、とても幸せです」

杏菜は今度は嬉しさから涙を流し、ダミアンに自分からキスをした。



それから一年後、杏菜はダミアンが見せてくれたトリクシィ家が代々結婚式を挙げてきた教会にいた。お祈りに来たわけではない。今日は杏菜とダミアンの結婚式の日だ。

杏菜とダミアンは一年前に婚約会見を開き、国民の前に姿を見せてダミアンが望んだオープンな王室に変えていった。ダミアンと杏菜は多くの国民に祝福される中、今日、結ばれる。
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