きみに ひとめぼれ
「あいつのこと、待ってるの?」
それが図星だったからか、それとも、僕がそんなこと聞くとは思わなかったからか、彼女の瞳が大きくなる。
僕だって、いつもの僕ならそんなこと聞かない。
聞きたくても、聞かない。
だけど、今日の僕は、いや、今の僕は、ちょっと違った。
「あいつのこと、好きなの?」
「え?」と彼女はさらに目を大きくして後ずさった。
「そんなんじゃ……」
「じゃあなんで待ってるの?」
彼女の言葉を遮るように、僕の言葉が棘のように放たれた。
否定されたところで、それは嘘だってわかっている。
「ああ、そうなんだ」って納得して気が済むほど、僕はお人好しじゃない。
彼女はしばらく何も言わなかったけど、窓際にもたれかかって静かに話し始めた。