泣いて、凪いで、泣かないで。
青空ちゃんにまた来る約束をしてから私は自宅近くの海にやって来た。

海の家はまだ何軒か残っていて、おじさんの店ももちろんある。

そこに今日も、この海の波に乗ってくるくる回る波田野くんが来ては、オレンジジュースをぐびぐびと飲んでいるんだろう。

今日は風が凪いでいる。

私の名前にも入っている"凪"という字。

穏やかになる、という意味を持つ。

私の心も今は少し凪いでいる。

その心の隙間に入り込む柔い風は心地よい。

海は青く、太陽の光を浴びてキラキラしている。

空も真っ青で白い雲がゆっくり大海原を泳いでいく。

この景色が今までより澄んで見える。

幾度も見てきた景色が晴れやかだ。

つまり、これからの人生も明るい。

そう因果関係を結んでおこう。

私は空気を目一杯吸い込んで、

吐き出した。

空気が美味しい。

澄んだ空気が体を循環していき、生命のエネルギーが宿る。

このまま、真っ直ぐ歩いていこう。

自分の気持ちに素直に生きていこう。

改めて私は決意した。

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