泣いて、凪いで、泣かないで。
***

私がゆっとに初めて好意を抱いたのは、幼稚園に通い始めて間もない頃だった。

私は幼稚園でも仲間はずれにされ、いつも1人で遊んでいた。

家から持ってきた糸を結んであやとりをしたり、絵を描いたり。

1人で出来て、かつ誰の邪魔もしないことをやっていた。

一方で、ゆっとはいつも皆と仲良くお庭でかけっこをしたり、遊具で遊んだりして楽しそうにしていた。

結人くん、声、かけてくれないのかな?

そんなことを内心期待しながら日々を過ごし、6月になった。

父の日に合わせて父親参観というのが開かれ、お父さんの似顔絵を描いてプレゼントしようというのをやった。

私はお父さんがいないから、代わりに来ていたのは当時存命だった祖母で、私は祖母の絵を描いてプレゼントした。

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