カタオモイ同盟
彼は、日当たりのいいところに、ちょこんと座った。私も、その隣にお邪魔する。
座るときに花柄のハンカチを敷こうとポケットに手を突っ込んだけれど、ハンカチも濡れていたのでやめた。そこで思った。
そういえば、私、臭わないかな。あの水、汚かったし。男の子に臭いって思われるのは、なんというか……女の子的に、嫌だ。
でも、それでもやっぱり、この場から離れたくはなかった。
彼のことを、もっと知りたい。このチャンスを無駄にしたくない。
「……そういえば、名前は?」
「僕?僕は冴木。冴木湊斗。君は?」
「……結城世莉」
「結城サン、ね。ちなみに、ここ、立ち入り禁止なの、知ってた?」
「鍵が開いてたから。それに、それを言うなら貴方だって」
「そこを突かれたら痛いな。じゃ、このことは二人だけの秘密ってことで」
ぱちんっ。効果音がしそうなほどのウィンクをされ、どっきゅん。心臓が波打った。
人差し指を口に当てて、上目遣いで頼まれたら。……断れるはずもなく。断ろうと、思うはずもなく。
「──────見つけた」
「え?」
見つけた。私の王子様。
この人だ、と、確信した。