カタオモイ同盟
「…… 屋上で独り言って、もしかして、って思って。いや、今でも有り得ないとは思ってるんだけど。……立ち止まるってことは、この名前に、聞き覚えがあるってことでいいよな。
俺、三つ上の姉貴がいるんだ。その姉貴から聞いた話なんだけど。
冴木湊斗は、姉貴と同じ学年だった。俺らとは三歳差だったから、そいつはちょうど、俺らと同じ赤いネクタイをしてて。
で、顔は目を引くくらい整ってて、ちょっとだけ色素が薄かった。……それが原因で、生意気だからって理由で、先輩からいじめを受けていたらしい。
姉貴とはクラスが違ったから、姉貴は当時はいじめのことに気が付かなかったみたいだけど、姉貴はそいつと少し面識があったんだ。
話した回数は少なかったみたいだけど、そいつと話していくうちに、姉貴はそいつに惹かれていった。……でも、そいつは突然いなくなった。
三年前に、この学校で、いじめが原因で自殺した生徒がいたこと、知ってる?屋上から飛び降りて、自殺した男子生徒がいたんだ。そいつが冴木湊斗だよ。
冴木湊斗は、本来なら、もうこの世にいない人物なんだ」