カタオモイ同盟

背中越しに聞こえる声。


きっと、これは彼の作り話だ。動揺させて、私を屋上に行かせないつもりなんだ。


私のことが好きだから、私の恋の邪魔をしようとしているんだ。




……でも。もし彼の話が本当ならば。




一番最初に湊斗に会ったとき、私が濡れているのを見て、誰かにやられた、と真っ先に言い当てたことも。


いつも、何故か屋上でしか会えない理由も。


湊斗に会ったことがないはずの北見くんが、湊斗の容姿の特徴を知っていたことも。


すべて、わかってしまう。納得がいってしまう。……それに。




心のどこかでは、薄々気が付いてはいた。


……嘘のつけない北見くんに、こんなによくできた作り話なんて、できるはずがない、と。

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