カタオモイ同盟
◇︎
「……何?」
「何、じゃないっつーの。なんで自分が呼び出されたか、まだわかんねーの?」
人生二度目の呼び出しは女子トイレ。これもまた、少女漫画では定番だね。
しかめっ面のユカリと、逃げ道を塞ぐようにして立つ芽瑠と梨花。
この後何が起こるのか、容易に想像できる。
「なんとなくわかるけど、念のため訊くね。何?」
「……っ、舐めてんの!?」
「北見くんの告白を断ったとか、世莉のくせに生意気なんだよ!」
「北見くん女の子から人気あったのに、信じられない。どうせアンタが誘惑したんでしょ、この淫乱」
きたみくん。きたみくん。聞こえた名前を反芻する。
この前の彼、北見くんっていうのか。知らなかった。
彼を思い出す。薄ぼんやりとしか覚えていなかったけれど、確かに、顔は整っていた気がする。