溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
そして買い物を済ませたわたしたちは、和也くんの住むマンションにやってきていた。
「よかったのか、外で飯食ってもよかったんだぞ」
「ううん。和也くんの部屋に来るの夢だったんだ」
長年の夢が叶うことに興奮していたのだが、一歩マンションに踏み込んだ途端その豪華さに驚きを隠せない。
地下駐車場にはわたしでも知っている国内外の高級車がずらりと並ぶ。もらった鍵を差し込んでエレベーターに乗ると、和也くんの部屋のある最上階の四十五階のボタンを押した。
生まれてからずっと実家暮らしのわたしにはなにもかも珍しくてつい思わずキョロキョロしてしまう。その様子を和也くんはクスクス笑って見ていた。
部屋に入るとまた違った驚きがある。広い玄関には大きな備え付けのシューズクローゼットがあった。
カウンターに鍵を置いた和也くんが奥にあるドアを開けると、そこには広いリビングルームが広がっていた。おそらく二十畳以上はあるのではないだろうか。
大きなテレビにローテーブル。落ち着いたグレーのソファはふかふかで座り心地がよさそうだ。
その先に見えるキッチンとダイニングスペースは、ひとり暮らしにはもったいないほど立派だ。
「買ってきた物こっちに置くぞ」
「うん。手を洗ったらすぐに作るね」
和也くんが買い物してきたものを袋から取り出してくれている間に、わたしは手を洗いキッチンに立った。
「ちゃんと食えるもの作ってくれよ」
「あーひどい。大丈夫だから、ゆっくりしていて」
「わかった。シャワー浴びてくるから、好きに使って。……あ」
「ん?」
和也くんはなにか忘れ物をしたのか、バスルームに行きかけた足をこちらに向けた。そしてわたしの目の前まで来ると、大きな体をかがめた。そしてわたしの唇に軽くキスを落とす。